このページは私立大学図書館協会東地区部会研究部逐次刊行物研究分科会が発行している『逐次刊行物研究分科会報告』51号(1993年12月号)に掲載された私の論文をもとに構成してあります。
1990年になって国内代理店が開始した「契約価格の新算定方式」と「契約・物流の新方式」の新方式(◆付録1)が、個々の図書館で採用され始めている。この新方式の概要とその得失については別途報告している(◆文献
1))ので、ここでは、雑誌担当者が外国雑誌の価格問題を振り返り、今後の見通しを探る上での基礎データを示すこととする。価格問題を振り返ることの必要性は、雑誌担当図書館員のレベルアップにつながるからであり、基礎データを示すことは、代理店、出版社、研究者、図書館員との共通理解のてがかりとなる。
最初に、図書館員や代理店による外国雑誌価格問題の認識傾向を国内文献により概観する。次に、雑誌に関連する輸入額・売上高・為替レート・図書館資料費・購読価格等の動向を大学図書館統計や出版統計により概観する。これらのデータをふまえて出版社・代理店・研究者・図書館の学術情報流通に連なる4者間の共通理解が進めば、外国雑誌価格問題の出版・予約・流通レベルまでも見通した改善が可能になるだろう。
逐次刊行物に関する教科書は、翻訳も含めていくつか出版されているが実際の問題解決にはあまり役立たない。(◆文献 2)-6))
この時期は、未着欠号関連の報告が多い。
【三角関係】
代理店側から、代理店・図書館・出版社の間の「三角関係」により外国雑誌の特殊性が解説されている。(◆文献
7)-10))
【未着欠号】
図書館側からは、発注受入の諸問題について、未着欠号の発生、出版者・代理店の流通改善の状況、ダイレクトクレームの有効性等の報告が行なわれている。(◆文献
11)-22))
欠号の発生原因を知るうえでも貴重な郵便システムについての報告もある。(◆文献
23)-24))
1971年の固定為替相場制から変動為替相場制への移行と1973年から1974年のオイルショックによる雑誌価格の上昇は外国雑誌価格に大きな混乱をもたらした。その影響は80年代に大きく現われる。
【価格問題】
80年代は価格問題がクローズアップされて行く。(◆文献 25)-29))
代理店は、変動相場制移行(◆文献 30)-31))の円切り上げによる洋書の値下げを行なったが、価格低下への反映は1年遅れ、低下も十分でななかった。
この頃から、為替変動を有利に取り込む購入価格の算定方式や、値上がり状況の報告(◆文献
32)-33))が出てくる。「関ブロ」レート(◆文献 34))や大手私立大学図書館のレートがリード役を果たしてきた。
【総代理店制度】
代理店は出版社と総代理店契約を結び、特定出版社の雑誌の国内市場独占による割高な円建て価格を設定した。しかし、この総代理店制度は円高の問題と組み合わさり図書館側からの反発を招いている。(◆文献
35)-37))
代理店側からの反論もある。(◆文献 38))
【外資系】
海外代理店(外資系)は1982年に日本支社を構えた。当初は少数の私立大学図書館が採用するにとどまった。(◆文献
39)-44))
80年代後半から90年代に入り、外資系が国立大学の会計方式にあわせて受注を始めたことと、国立大学の競争原理の導入により、外資系が国立大学図書館に多く採用されるようになった。(◆文献
45)-48)) 国内代理店は外資系に現実的な驚異を感じることになる。
【海外への直接発注】
さらに、海外への直接発注や海外代理店の利用など、外国雑誌の購入方法に変化が現われる。(◆文献
49))
円高差益を直接に享受できるため海外への直接発注が私立大学では試みられている。(◆文献
50)-53))
【購入タイトルの見直し】
価格上昇に予算増加が追いつかないため、購入外国雑誌の再検討が自然科学系の図書館では行なわれている。(◆文献
54)-60))
90年代は、80年代の様々な問題への具体的な対応が現われた。特に国内代理店による「新方式」は、図書館の文献提供機能や国立大学図書館での競争原理導入の動きとの関連から図書館側から厳しく評価しなければならない。
【調査報告】
国立大学図書館協議会からは価格問題報告書が発行された。(◆文献
61)-63)) 過去の経緯の解説や豊富な実例などが載っており、価格問題を考えるうえでたいへん有用な資料である。
【差別価格】
「IFLA 資料・サービス部会 収集・交換分科会」で1989年から取り上げられている差別価格問題が報告されている。(◆文献
64)-68))
海外向け価格に対しては、国公私立大学図書館協力委員会から、出版社・代理店へ差別価格(個人的には、”差別”より”二重”価格としたほうが穏当と考える)撤廃の働きかけが行なわれた。(◆文献
69-70))
【内外価格差】
円高の問題も取り上げられている。(◆文献 71)-72))
内外価格差の問題は一般総合雑誌や新聞でも取り上げられている。(◆文献
73)-77))
外国雑誌の内外価格差は、「円高」「円建て価格」「海外向け価格」「団体向け価格」「価格上昇」などいくつかの原因によるため、丁寧に解説できている記事はない。安易な結論に飛びつかない慎重さが必要である。
【国内代理店の新方式】
国内代理店は、国立大学への外資系の浸透への対抗と外国雑誌販売における利益確保という2つの目的ために新方式を導入した。(◆文献
78)-86))
最近になって新方式と外資系の評価がなされている。(◆文献 87)-89))
新方式には外国雑誌の現地仕入と代理店内での受付チェックのための設備投資が必要になる。大手の紀伊国屋、丸善、ユサコ等は対応できても中小の代理店には相当な負担になる。大手の寡占状態がさらに進行することを手放しで歓迎することには躊躇せざるを得ない。
取次業者の再編成が進みつつある状況を知っておくことも必要である。(◆文献
90))
さらに、代理店が原価意識を前面に出した業務展開は図書館も見習う必要がある。学術情報流通における原価意識と民間営利企業における原価意識は大きく異なる。学術情報の流通には何らかの助成があって然るべきであり、単純に営利だけで割りきるべきではないと考える。しかし、原価意識は必要である。
【受付チェック】
新方式による代理店の受付チェック代行は、個人的には感心しない。
代理店の受付データがそのまま図書館の所蔵データとして使える必要があるが、現在はそれほどうまくいっていない。(◆文献
91))
代理店の受付チェックを図書館の館内業務でも十分使用できるものにシステムを作り上げる作業は、図書館と代理店の共同作業になり、図書館の受付チェックの機能を代理店の受付チェックが全て取り込んでいる必要である。しかし、図書館主導で共同作業を行うことは困難であるし、本当の意味での受付チェック機能と必要事項を洗い出すことも困難であろう。
欧米では学術出版・学術コミュニーケーションの研究・調査が図書館関係の図書や雑誌に多数発表されている。(◆文献
92)-93))
日本でも外国の学術雑誌についての報告がいくつかある。(◆文献
94)-103))
日本の学術雑誌の編集についてのについての研究・調査は少ない。(◆文献
104))
図書館業務へのコンピュータ化の定着、ネットワーク技術の応用、CD−ROMなどの新媒体の実用化、著作権とILL等、図書館政策の根本とかかわる問題への対応を早急に迫られている。最近の欧米の図書館関係の雑誌には文献提供に関わる論文が多くみられる。例えば、CD−ROMによる文献複写・使用料(著作権料)徴収システムであるADONIS(アドニス)の紹介がある。(◆文献
105)-115))
印刷媒体での文献提供システムの代替システムとしての側面、ネットワークによる文献の入手との比較している。さらに、資料保管スペースを持たない製薬会社等を当面の顧客として意識していることにも言及している。
『出版年鑑』の書籍輸出入概要からと、他にいくつか出典を示して外国雑誌関連の動きを大きな流れとして把握した。書店側の感じ方が伝わってくる。
『大学図書館実態調査報告』より全大学図書館の資料費等合計金額、『国際統計要覧』、『出版ニュース』の「出版物販売額の実態と分析」、『Serials librarian』及び『Library acquisitions』の外国雑誌年間価格などの各種統計により、日本における外国雑誌市場の全体を概観する。
「書籍輸入額」及び「丸善(以下、MZ)・ 紀伊国屋(以下、KIN)輸入書籍販売額」「大学図書館洋資料購入額」を比べてみる。
◆約10年間の増加率は、25%から35%でほぼ同じである。
◆輸入額は、大学購入額、KIN、MZより伸びが大きい。
◆MZ、KINのシェアは落ちてきている
◆金額はKINが大きく、伸びはMZが大きい。
◆大学図書館は、輸入書籍の大口顧客である。
◆MZ、KINの流通に占める役割は大きい。
◆1986年は輸入額より販売額が大きく、数値の信頼性には若干の不安がある。また、輸入統計の年度の区切りは、大学図書館の年度の区切りとは異なっている。しかし、大枠をつかむにはこの程度の粗さでも十分であろう。
『出版ニュース』による洋書輸入額は、輸入通関用インボイスによるため、小口の郵送便入荷部分はもれている。この分が、代理店を経由しない個人購入分にあたるかもしれない。
◆1971年の変動為替相場制移行から一貫して円高傾向であった。
◆購買力は、ドルは半分に、円は2倍になった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−
換算レート 1970 1991 −−−−−−−−−−−−−−−−−− ドル:1マルク $0.274 $0.66 1ポンド $2.393 $1.871 1円 $0.003 $0.008 円: 1ドル 357.6円 125.2円 1ポンド 855.9円 234.2円 1マルク 98.03円 82.59円 −−−−−−−−−−−−−−−−−−
◆通貨の強さは、 円>マルク>ドル>ポンド
の順である。通貨の弱い国で発行される雑誌は、購入価格の上昇が大きい。
◆1990年代は円高も頭打ちで、円高による購入価格上昇の相殺は望めない。
◆物価安定は、 独<日<米<英 の順で、為替レートの動向に準じている。独、日は安定している。
◆1982年比では、独=日<米<英 の順である。
◆日本は、1972年から1974年の円高対策としての「調整インフレ」政策による1973年から1975年の大幅な物価指数上昇により、物価が高値安定したままである。
◆為替レートは大きく変動する。
◆代理店では、円高で手数料が下がっている。売上額増加率ほどの利益額増加率を達成していない。
◆図書館では、円高と「係数」の下降で購入価格上昇が緩和されてきた。しかし、購入価格の上昇はもっと大きい。
(図12−14)(表2)
◆大学図書館の経費はコンスタントに伸びている。◆1982年度比で、各経費の伸びには差がみられる。 大学総経費の伸び=図書館経費>資料費
図書館経費<運営費
◆資料費の区分とその金額は、
図書費>雑誌費>その他 である。
◆各資料の資料費中の比率は、
図書費>雑誌費>その他 であり、
1982年度比での伸び率は、
その他>雑誌費>図書費 である。
「その他」は、視聴覚資料であり大きく伸びている。
1983年は、洋雑誌の平均単価が上昇し、雑誌費の割合も上昇している。
1987年は、洋雑誌の平均単価が下降し、雑誌費の割合も下降している。
◆資料費の割合は、雑誌費の8割が洋雑誌費、図書費では5割である。
図書費(348億:54%)雑誌費(256億:40%)
洋資料(373億:58%)和資料(230億:36%)
◆資料費の増加は大学数の増加が大きく影響し、個々の大学経費の増加率はいくらか小さい。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 経 費 1982年度 1991年度 増加率 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 大学数 451校 514校 114% 大学総経費 2兆5372億 4兆0687億 160% 図書館経費 975億 1481億 151% 運営費 509億 835億 164% 資料費 466億 645億 138% 図書費 279億 348億 125% 和図書 137億* 179億 131% 洋図書 142億* 169億 119% 雑誌費 167億 256億 153% 和雑誌 31億 51億 165% 洋雑誌 135億 204億 151% その他 21億 41億 195% (和資料費 170億* 230億 135%) (洋資料費 293億* 373億 127%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
◆国立と私立の比較は、「吉村直子; 上田修一. わが国の大学図書館の推移:
1965-1980. Library and information science. No.21, p.103-119(1983).
」が参考になる。
”図書館職員、蔵書数、図書受入数、雑誌受入数、総経費、資料費、図書費について、大学図書館の設置者と規模別に分析している。私立の伸びが国立の伸びを上回り、規模の差がいくぶん小さくなっている。” この傾向が続いていると思われる。
(図15)(表2)
◆購入雑誌の割合は、和雑誌で 30%、洋雑誌で 85%である。和雑誌タイトルでは、寄贈・交換が
70% 存在する。和雑誌より高価な洋雑誌は代理店としても新方式などの設備投資が回収しやすい。ためシステム化の動きが活発である。経費の節減と新規サービスによる高収益が狙いである。
全く図書館独自の問題である和雑誌の寄贈・交換は昨今の進歩からは取り残される。
◆点数が、20年前の2倍になっているにもかかわらず、処理手順はほとんど進歩していない。資料の取捨選択の技術が未発達であるなど、現実の業務処理には矛盾が多く存在する。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1974 1982 1991:1982比:1974比 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 継続タイトル 70万 109万 141万 129% 201% 和雑誌 45万 71万 93万 131% 207% 購入 21万 29万 138% 寄交 50万 64万 128% 洋雑誌 26万 38万 47万 124% 181% 購入 31万 40万 129% 寄交 7万 7万 100% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
◆雑誌の購入タイトルは69万、寄贈・交換タイトルは71万である。和雑誌の寄贈・交換タイトルは64万で、外国雑誌タイトル40万を凌いでおり、図書館の業務として大きな分量を占めているが、重要性では外国雑誌に重みが置かれている。
和雑誌の寄贈・交換タイトルの主要資料である「紀要」について、『現代の図書館』1993年12月号に報告する予定である。
◆1972年度比では4倍から5倍と急増し、1982年度比では3割増と、資料費およびタイトルの伸びに並行している。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1972 1982 1991:1972比:1982比 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 大学数 384校 451校 514校 137% 114% 国内受付 16万 57万 76万 475% 133% 国内依頼 11万 40万 55万 500% 138% 学内複写 280万 590万 1055万 377% 179% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
◆米国における、国内雑誌と海外雑誌の一誌当たりの年間価格 (1974-1990)は、米国内タイトルも10年間で2倍になっている。日本の大学図書館では国内雑誌も外国雑誌も円高により2割程度の増加でしかない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1974 1982:1974比 1991: 1982比 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 米国 国内 25.19$ 62.03$ 246% 167.45$ 270% 海外 48.60$ 121.70$ 250% 330.40$ 271% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 日本 国内 15,100円 18,000円 119% 海外 38,000円 47,800円 126% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [米国:Faxon社取扱いタイトル加重平均] [日本:(大学図書館全洋雑誌費)÷ (大学図書館購入全タイトル数)]
◆日本と米国の「実質」年間購読価格(1982年から1991年)の上昇の比較を以下に示す。
◆「国外雑誌の実質原価上昇」は、日本(5割増)と米国(7割増)でそんなに差はない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 米国・海外タイトル価格 271%÷1.57 → 173% 日本・洋雑誌講読価格 126%÷0.84 → 150% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・「国外雑誌」は、為替変動で補正してある。円とドルに対して一番安定している独Markに対する為替レートの1982年度比で補正する。Mark:ドルは
157%で除し、Mark:円は 84%で除する。
◆「国内雑誌の実質原価上昇」は、米国では、物価上昇を大きく超えて価格が9割上昇している。日本では物価上昇の範囲に納まっているが、米国では物価上昇より大きく(9割)上昇している。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 米国・国内タイトル価格 270%÷1.41 → 191% 日本・和雑誌講読価格 119%÷1.18 → 101% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・「国内雑誌価格」は、1982年度比の消費者物価指数で補正してある。米国の国内雑誌価格は物
価上昇の 141%で除し、日本は 118%で除する。
◆発行国別の年間価格の動向(1985年から1991年)は、1タイトルの購読料の単純平均(国により、1.7倍から2.5倍)と、購読者数を加味した加重平均(同じく、1.5倍から3倍)では大きく異なる。
◆出版社別の年間価格の平均は、1978年から1981年分を掲載した2回で打ち切られている。
大学図書館では、資料費の相対的な減少、業務の機械化に関連する経常経費の上昇、大学生人口の減少による大学経営の「効率化」などにより、予算的に困難な状況に向かっている。さらに、職場の現状やその認識において組織差・個人差はあるものの、週休二日、職員問題、利用者や情報サービスの多様化など、図書館運営に関係する様々な面でも困難な状況に直面している。この状況は、情報サービス活動に連なるあらゆる館種、業種に共通な傾向である。問題は広範囲で,影響が多岐におよび、早急な解決を迫られている。解決には、館種、業種をこえた連携が必要であり、連携の構成員である個々の事業体内では、体質強化・改善が必要である。状況の打破は、コンピュータなどの道具によるのではなく、人材の活用にかかっている。真の意味でリーダーシップのとれる管理職が求められており、個々の担当者のレベルでは、調和のとれた担当業務の機能強化に向けた取り組みのできる人材が求められるだろう。
日常的に支払・受入、目録、製本業務を通り一辺に処理するだけなら、特に逐次刊行物専門の図書館員は必要ないし、「図書館員の専門性」も必要ない。しかし、購入タイトルの見直し、業者との価格交渉やその基礎資料作成、閲覧・相互協力担当者と協力しての利用者サービスの展開、総合目録やILLを意識しての目録作成、新媒体(CD−ROMなど)の導入・運用など、些かの基礎知識と日常業務遂行中の担当資料の資料的特徴の蓄積がなくては、十分な業務遂行のできない場面もある。今後は、このような日常業務と異なった総合的な判断を要求される業務の増加が予想される。現実には、直面している事態が総合的な判断を必要する事態であるとの認識が出来ないケースが一般的であり、場当たり的な解決がなされて後で苦労することが予想されることが多い。基礎知識もない図書館員が専門性を議論することなど時期尚早であり、図書館員、書店営業担当者としての洋雑誌に関する最低知識が組織的に身につくような教育・研修システムの整備が望まれる。
代理店、図書館の協力では、大学内での予算獲得のためのデータを代理店が図書館に提供する協力が考えられる。
出版社、代理店、図書館間のデータ共有では、発注、受付、クレームデータの電子的交換が3者のコスト削減になる。その際には、「誌名」「誌名の識別コード」「各号の識別コード」の標準化が必要になる。例えば、各号や論文の識別コードはすでにいくつかの標準が存在する。(◆文献
116)-117))
海外では、出版社、代理店、図書館、情報サービス機関、図書館学教育者が協力するための組織として、
NASIG (North American Serials Interest Group. 1986- )、
UKSG (United Kingdom Serials Group. 1978- )
等がある。大局的見知からの学術雑誌の未来の模索、相互理解の場の提供を行っている。日本でも自国の学術情報流通について関係各所の現場職員の話し合いがもてればよいのであるが・・・。
外国雑誌の価格問題の基礎知識として、「価格算定方式」と「契約方式」についての概要を説明しておく。
主流は、Aの係数方式と、Cの新方式の手数料方式である。
@CP(Catalog Price) less 方式
固定相場制時代の方式である。いまでも一部の私大図書館で行われている。煩雑な価格交渉が不要である。
書店カタログ価格 * 値引き率
A係数方式
国立大学図書館が代理店との随意契約による物品供給契約の際、予定価格の算出を行うために考案された方式である。変動相場制移行後、カタログ価格の換算レートを円切り上げによる実勢レートに近付けた。契約時期の為替レートの変動を取り込めるようになり、円高傾向と係数の引下要求による継続的な価格低下を実現した。
出版社価格 * (実勢レート * 係数)
B円建方式
国内での販売権の獲得で円建による定価設定を行い、そこからのディスカウントが契約価格となった。割高であるとの図書館の批判が集中した。
総代理店円建価格 * 値引き率
C手数料方式
チェックイン方式の手数料算定を行うために導入された。外資系の模倣である。
(出版社価格 * 実勢レート) + 手数料
D販売方式
C手数料方式の変形で、手数料を明記しないのが特徴である。手数料で商売するのではなく、商品を売るという方式である。丸善による手数料の表示を行わない方式である。
書店算出価格 = 契約価格
Eマークアップ方式
A係数方式の進化型で、係数方式と手数料方式の折衷である。通貨当たりの「率」ではなく通貨当たりの「額」を加算して換算レートとするため、為替変動に左右されずに代理店は利益確保が出来る。人文社会科学系の図書館では、手数料方式ほどの高額な手数料とならない。出版社価格の上昇によりタイトル当たりの代理店の手数料も自動的に上昇する点を、図書館と代理店の綱引きの場と出来る。
出版社価格 * (実勢レート + マークアップ額)
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外国雑誌の契約と物流には5つの方式がある。 契約の流れ:右向き矢印 −→
雑誌の流れ:左向き矢印 ←−
@従来方式(1):主要商業出版社の雑誌
外国雑誌は出版社から直送されるのが建前である。オランダ、イギリスの大手出版社は、国策として推奨されるSAL(Surface
Maik Air Lifted:蘭)、ASP(Acelerated Surface Post:英)を使う。
A従来方式(2):1社1タイトルに近い学協会・商業出版社の雑誌
船便も多いが、配送業者により様々な輸送形態があるようである。
B円建方式:総代理店契約の雑誌(学協会・大学出版)
国内代理店の仕立てたエア・カーゴ便で代理店に届き、各図書館あてに再包装されて送付される。
C外資系方式:海外取次日本支社との契約
国内代理店の新方式はこれを真似ている。
Dチェックイン方式:国内書店の現地調達による一括納入方式
丸 善:MACS2;1991年1月号から開始
国会図書館等で1990年1月号から試行
MACS(Maruzen Air Cargo Service)の新装版
紀伊国屋:アクセス ;1992年1月号から開始
NTTなど専門図書館で1991年1月号から試行
カーゴ・サービス、チェックイン・サービスの新装版
海外集荷基地の機能拡充の方向に進み海外基地からの直送になると、到着がかなり早くなる。
【新方式】
1) 長谷川豊祐. 外国雑誌の価格問題−−国内代理店新方式の概要とその得失−−.
図書館雑誌. Vol.87, No.9, p.669-672 (1993.9)
【教科書】
2) Andrew D. Osborn著. 逐次刊行物 図書館におけるその位置と取扱い
1-12. 現代の図書館. Vol.4, No.3 (1966)−Vol.9, No.4 (1971)
3) 雑誌の管理と利用. 日本図書館協会, 1967.4, 614p.
4) 学術雑誌−その管理と利用−−. 日本図書館協会, 1976.8, 400p.
5) 光斎重治; 中嶋正夫. 逐次刊行物(図書館員選書・5). 日本図書館協会,
1986.1, p.28-29.
6) ジル・ランバート著; 日本図書館協会情報管理委員会訳. 電子時代の学術雑誌.
日本図書館協会, 1989.10, 201p.
【三角関係】
7) 外国雑誌予約取扱業務の特異性. 洋書輸入協会, 1964.
8) 外国雑誌の特殊性について. 紀伊国屋書店, 1975,11p.
9) 外国雑誌の手引. 丸善, 1975.
10) 小松三蔵(丸善). 外国雑誌の購入方法と問題点. 情報管理. Vol.18,
No.12, p.951-958 (1976.3)
代理店、図書館、出版社の間の「三角関係」を説明している。
・予約者は、代理店に代金を支払う。
・代理店は、契約の代理行為者として出版社への送金を行なう
・雑誌は、出版社から直送される。
注)『代理店』は、契約の代理行為者であり、物品の供給関係からは解放されているという立場を明示した。代理店には、クレームをしたり受ける権利も義務もないが、クレームを取り次ぐことは商習慣として行なわれている。『図書館』は、代理店に雑誌を完納する義務を求めるが、クレームは取り次ぐだけという代理店の立場と相容れない。『出版社』は予約購読の原則をもっており図書館はこの原則に従うことが求められる。
・前金での支払い
・予告なしの価格の変更
・返金には応じない
・クレームは一定期間内(3ヵ月)のみ応じる
・住所・契約巻・支払い方法の連絡
出版社とのやりとりを全て代理店が行なっており、図書館と出版社との契約関係が明確に見えていない状況だった。
【未着欠号】
11) 高田金八(丸善), 相良広明(紀伊国屋). 外国雑誌の発注方法.
雑誌の管理と利用. 日本図書館協会, 1967. p.18-29.
12) 天野善雄, 小林順子. 購入外国雑誌未着の問題. 医学図書館. Vol.15,
No.1, p.75-87 (1968)
13) 伴彰一. 情報流通上に果たす書籍・雑誌取次業者の役割. 薬学図書館.
Vol.17, No.3/4, p.133- (1972)
14) 山崎茂明. 外国雑誌未着の現状と流通事情. 医学図書館. Vol.23,
No.2, p.97-101 (1976)
1970年代に入って air cargo 方式からASP(Accelerated Surface
Post:英),SAL(Surface Mail Air Lfted)への移行及び standing
order の採用による欠号・未着の現状を把握し、有効な対処療法である direct
claim の意義と方法を述べている。
15) 渋川雅俊. 外国書流通の諸問題 .Library and information science.
No.14, p.394-395 (1976) 洋書流通問題懇談会のまとめ。
16) 岡本正三. 洋書取次業務に従事して. KULIC. No.9, p.19-21 (1976)
17) 赤塚協子; 宮内省二. 外国雑誌取次業務にみられる洋書店の Agency
機能. 館灯. No.13/14, p.65-74(1976.3)
18) 逐刊の受入・発注(欠号・未着)、継続更新(Renewal) について 特に洋雑誌を中心に−−業者(紀伊国屋・丸善両書店)との話し合い.
逐次刊行物分科会報告. No.37, p.121-128 (1976.5)
19) 渋川雅俊. 信頼性の高い書籍販売サービスの確立−−洋書流通の諸問題−−.
KULIC. No.9, p.13-17 (1976.9)
20) 岩本博. 外国雑誌購入上の諸問題. 医学図書館. Vol.24, No.3,
p.123-141 (1977.9) 欠号未着問題を取り上げ、「三角関係」における書店の雑誌紺能義務及び出版者とユーザー(図書館)の契約の本質を明らかにし、お互いの新しい信頼関係を作ることを提案している。
21) 山崎茂明. 学術雑誌の流通と発注に伴う諸問題. 医学図書館. Vol.27,
No.4, P.212-220 (1980)
22) 長谷川豊祐. 欠号とダイレクトクレーム. 逐次刊行物研究分科会報告.
No.45, p.101-118 (1984.9)
23) 岩本博. 国内外国郵便システムにおける外国雑誌の取扱い. 医学図書館.
Vol.26, No.4, p.151-156 (1979.12)
24) 岩本博. 外国雑誌流通上におけるエアー・カーゴ・サービスの現状と役割.
医学図書館. Vol.27, No.2, p.82-92 (1980.6)
【価格問題】
25) 渋川雅俊.洋書は安くなる!?−−円切上げと洋書価格問題の推移
. KULIC. No.4, p.21-24 (1972.5)
26) 宮内省二. 洋書業界の内幕と図書館界の不勉強. 東海地区大学図書館協会協議会誌.
No.21, p.18-20 (1976)
27) 根岸正光ほか. 東京大学外国雑誌一括購入データの統計分析(1-2)−−購入雑誌のライフ・サイクルを追って.
ドクメンテーション研究. Vol.30, No.6-7, p.254-260, p.301-309 (1980.6-7)
28) 谷口豊. 外国雑誌の予約購読価格を考える−−購読料の値上がりと予算頭打ち状況に対応するために−−.
逐次刊行物研究分科会報告. No.45, p.119-126 (1984.9)
29) 宮内省司. 図書館 VS 代理店−−外国雑誌の予約購読料をめぐる”10年戦争”に終止符は見出せないのか?.
図書館雑誌. Vol.82, No.4, p.219-221(1988.4)
30) 多田二郎. 洋書・ドル換算・図書館−−1ドル360円をめぐる諸問題−−.
図書館雑誌. Vol.66, No.6, p.286 (1972.6)
31) 相良廣明(紀伊国屋). 通貨の変動と洋書−−他の物価と比較し値下げ幅は大きい−−.
出版ニュース. No.934, p.28-30 (1973.4)
32) 渋川雅俊. 図書の値上りと義塾の図書費−−統計資料−−. KULIC.
No.6, p.26-30 (1973.12)
33) 田口實(日本ファクソン). 定期刊行物価格傾向資料 (1981-1983).
ライブラリアンズフォーラム. Vol.1, No.2, p.67-71 (1984)
34) 宮坂寛. 外国雑誌購入価格統一に関する一考察. 大学図書館研究.
No.16, p.48-55 (1980.5)
大石博昭. 「六大協の外国雑誌価格協議打切りの報告−−簡潔にして、重要な決定−−.
大学の図書館. Vol.12, No.10 (1993.10)
大石博昭. 国立大学における外国雑誌購入問題の近況. かながわ(大図研神奈川支部報).
No.33 (1993.12)- No.34 (1994)
【総代理店制度】
35) 小屋英史(紀伊国屋). ドル安時代の円定価. KULIC. No.22,p.15-18
(1988.11)
36) 脇本篤子ほか. 円高時代における外国雑誌の購入について−−エージェント扱誌を中心に.
薬学図書館. Vol.33, No.4, p.267-269 (1988.12)
37) 片山信子. もうひとつの差別価格−−洋雑誌輸入総代理店制度を考える.
図書館雑誌. Vol.84, No.2, p.87-89 (1990.2)
8) 湊周二(紀伊国屋). 外国雑誌の差別価格をめぐって−−輸入代理店の立場から.
図書館雑誌. Vol.84, No.7, p.440-441 (1990.7)
【外資系】
39) 細谷美也子. 外国雑誌の購入方法について−− Faxon社を通した場合の事例.
大図研論集. No.8, p.50-54 (1982.7)
日本ファクソン(株)1982年から
40) 木村美佐穂. 洋雑誌の購読について−− EBSCOを利用して. 逐次刊行物研究分科会報告.
No.45, p.83-92 (1984.9)
41) 佐粧栄子. 海外代理店を通しての外国雑誌予約購読. 逐次刊行物研究分科会報告.
No.45, p.93-100 (1984.9)
42) 中里晶子. 外国雑誌取次代理店について−−日本ファクソンを利用して.
逐次刊行物研究分科会報告. No.46, p.71-74 (1986.9)
43) 深田良治(スエッツ). 学術雑誌の流通とスエッツ社−−サブスクリプション・エージェントよりみた外国雑誌の流通について.
逐次刊行物研究分科会報告. No.46, p.66-70 (1986.9)
日本スエッツ(株)1982年9月から
44) 揺れる洋書輸入業界 米社直販で波紋 複雑な流通機構に対抗.
日本経済新聞. 1986.11.3. ベーカー・アンド・テーラーの大学図書館向け洋書直販。深田氏(日本スエッツ:4年前(1982年)から洋雑誌の直販を開始)の「日本流の過剰なサービスを敬遠する客は徐々に増えている。」とのコメントがあり、市場環境が整ってきて直販を受け入れやすくなっていることがうかがえる。
45) 植松南城. 外国出版物購入価格の仕組み@. 筑波大学附属図書館報.
Vol.14, No.4, p.7-10 (1989)
46) 重里信一. 外国出版物購入価格の仕組みA. 筑波大学附属図書館報.
Vol.15, No.1, p.10-13 (1989)
47) 第3回国立大学図書館協議会シンポジウム[外国出版物の購入価格に関する問題]の報告.
大学図書館研究. No.36, p.61-69 (1990.7)
48) 加藤揚子. 東京大学農学部図書館の外国雑誌購入について. 大学の図書館.
Vol.11, No.8, p.129-130 (1992.8)
【海外への直接発注】
49) 有倉久雄. 外国雑誌購入の三方法. 図書館学会年報. Vol.25, No.3,
p.119-123 (1979.9)
50) 小川邦弘ほか. 帝京大学医学図書館の外国雑誌購入について. 医学図書館.
Vol.32, No.2, p.147-158 (1985)
51) 志村金也. 図書館員による洋書の海外直接発注. 医学図書館. Vol.33,
No.2, p.177-183 (1986.6)
52) 渡辺克己. 海外発注方式のメリット−−上智大学図書館の例−−.
図書館雑誌. Vol.83, No.2, p.68-69 (1989.2)
53) 森茜; 大場高志. 外国図書の海外直接購入について−−国立大学図書館における一方法.
大学図書館研究. No.37, p.44-52 (1991.3)
【購入タイトルの見直し】
54) 西岡正行. 医学図書館における雑誌の選択・評価. 医学図書館.
Vol.28, No.4, p.268-282 (1981)
55) 下村陽子. 定期刊行物の収集における購入中止の決定. 社会教育学・図書館学研究.
No.6, p.58-60 (1982.3)
56) 佐藤正. 外国雑誌利用調査−−新規購入・継続中止の選択資料として.
薬学図書館. Vol.32, No.4, p.270-177 (1987.2)
57) 北川正路ほか. 受入外国雑誌の再評価と活性化. 医学図書館. Vol.35,
No.4, p.244-255 (1988)
58) 久保田均. 外国雑誌講読料金の高騰に伴う対応措置−−講読タイトル削減方法と削減情報の代替入手方法を中心として.
びぶろす. Vol.41, No.9, p.201-213 (1990.9)
59) 矢崎省三. 東京工業大学における雑誌最新号の利用状況調査. 大学図書館研究.
No.40, p.68-76 (1992.9)
60) 上田照賀. 新しい図書館を創る:外国雑誌購読見直し法の一例.
医学図書館. Vol.40, No.2, p.168-172 (1993)
【調査報告】
61) 東京地区国立大学図書館協議会. 外国資料流通問題検討会第一次報告.
1980.9, 26p. (付属資料のみ未見)
62) 国立大学図書館協議会 外国出版物購入価格問題調査研究班. 外国出版物購入価格問題調査研究班第一次報告.
1988.6, 42p.
63) 国立大学図書館協議会 外国出版物購入価格問題調査研究班. 外国出版物の購入価格問題に関する調査研究報告書.
1989.6, 68p.
差別価格と総代理店物を調査。
【差別価格】
64) 中野捷三. 図書館はどれだけ損をしているか−−IFLA収集・交換分科会の「差別価格」実態調査について−−
図書館雑誌. Vol.83, No.4, p.190-191 (1989.4)
65) 金中利和. 差別価格,保存図書館が焦点に−−収集・交換分科会での討議
(第55回国際図書館連盟パリ大会). 図書館雑誌. Vol.83, No.12 (1989.12)
66) 鎌田陽子. IFLA収集・交換分科会の外国出版物差別価格問題について−−1989年パリ大会の中間報告を中心に国大協外国出版物購入価格問題調査研究班との関連において−−.
大学図書館研究. No.35, p.9-17 (1990.1)
67) 天野善雄. 洋書の差別価格について. 医学図書館. Vol.37, No.2,
p.110 (1990.2)
68) 中野捷三. 図書館はどれだけ損をしていたか−−IFLAの「差別価格」実態調査結果およびワークショップについて−−.
図書館雑誌. Vol.85, No.1, p.33-36 (1991.1)
69) 国公私立大学図書館協力委員会. 国公私立大学図書館協力委員会「差別価格問題」ワーキング・グループ調査報告書.
1991, 26,18p.
70) 国公私立大学図書館協力委員会「差別価格問題」ワーキング・グループ.
差別価格問題調査報告書 外国雑誌の差別価格の実態. 大学図書館研究.
No.39, p.63-69 (1992.3)
【内外価格差】
71) ”円高時代”における外国雑誌の購入. 図書館雑誌. Vol.81, No.10,
p.597-605 (1987.10)
谷口豊(日本体育大学). 外国雑誌の予約講読価格再考−−図書館と代理店の今後の関係を考えるために.
田村潤二; 高橋努(東大). 円高状況下の外国雑誌.
東大では、円高差益(ドル安)により、価格政策の変更と原価の値上りで補正して、前年比7%の減少があった。係数方式による価格決定方式の妥当性の検討の必要性を指摘している。
尾内昌弘(丸善). 正確に送り届けるために−−輸入業者の苦悩と努力.
代理店の事情を説明し、図書館の理解を求める。
71) なぜ洋書は高いのか!?−−円高差益・並行輸入−−洋書業界に大きな波紋.
Executive(筑波大学学生雑誌). 1987, p.2-9. ベーカ・アンド・テーラー社の挨拶状に添付。
73) 工藤進. 内外価格差とその背景(第7回米国内政報告). 世界. No.573,
p.312-320 (1992.10)
74) 醍醐聰. やさしい経済学 バランスシートの内と外C 円高差益はどこに.
日本経済新聞. 1993.5.18.
この反論として、石原隆良(洋書輸入協会理事・(株)医学書院常務取締役).
日本経済新聞1993年 5月18日掲載『醍醐聰.「 やさしい経済学」バランスシートの内と外C 円高差益はどこに』10p.(JBIA理事会資料) がある。
醍醐氏の3つの指摘、「海外の出版社が円高を見越して日本向けに割高な差別価格を設定している」「輸入業者による不透明な円建て定価設定である」「洋書の仕入れディスカウントが代理店に入ったまま、購読者に還元されにくくなっている」に対応させて洋書輸入業務の実情を説明(反論)している。
75) 洋書業界に円高波紋. 朝日新聞[大阪版]. 1993年8月31日夕刊
「外資系は安く、国内業者値下げ慎重、大学図書館などに切り替えの動き」
76) 輸入書円高でなぜ高い?. 朝日新聞. 1993年9月4日夕刊. p.13
「大半はまだ1ドル190円[図書]で換算、ほぼ横並びで価格の改定、外資系参入し競争激化か、利益低い学術誌切り捨ても」
77) 洋書円高なのに安くならない 返品不能、経費円建て. 読売新聞.
1993年10月5日朝刊
代理店の経費節減策として「不良品としての返品」が取り上げられる方向も見えてきた。
【国内代理店の新方式】
78) 外国雑誌一括納入システム MACS 2 ご説明書. 丸善. 1989.5(?),
6p.
79) MACS 2 外国雑誌一括納入システム. 丸善. 1989.5(?), パンフレット.
80) Access アクセス 外国雑誌の情報と物流を統合した新サービスシステム.
紀伊国屋書店. 1991.4(?), パンフレット.
81) 外国雑誌の価格についてのお知らせ. 紀伊国屋書店. 1991.4, パンフレット.
82) 河村正威. 外国逐次刊行物の受入方式の変更について. 国立国会図書館月報.
No.373, p.18-19 (1992.4)
雑誌業務のコンピュータ化が安定稼働して、代理店からの納品情報を受付データとして取込み、業務の省力化をはかる。「新納入システム」は、雑誌を代理店にいったん集荷し、図書館に納品情報とあわせて届ける方式である。
これにより従来までの「三角関係」が消滅する。学術情報流通における図書館と出版社の役割が明確に関係づけられることなく、図書館と代理店の間の物品供給に関係が単純化されてしまった。雑誌の価格などの問題について、学術情報流通の観点から、研究者・出版社・代理店・図書館の役割の見直しと、4者の協力関係の構築が必要になる。
83) 大日方祥子. 外国雑誌購入問題−−新方式への移行を中心に. 大学の図書館.
Vol.11 No.8, p.124-125 (1992.8)
84) 「薬学図書館」編集委員会. 学術雑誌の契約をめぐって−− MACS
2 とアクセス. 薬学図書館. Vol.37, No.4, p.288-296 (1992.10)
85) 斉藤博司. MACS 2−−丸善外国雑誌一括納入システム. 薬学図書館.
Vol.37, No.4, p.296-302 (1992.10)
86) 牛口順二. アクセスサービスの概要と新価格体系. 薬学図書館.
Vol.37, No.4, p.303-308 (1992.10)
87) 勘川捷治郎. 外国雑誌購入法法の一分析:主としてMACS2,アクセスと従来方式との比較から.
薬学図書館. Vol.38, No.3, p.206-214 (1993.7)
88) 石野田佳美. 外国雑誌の契約をめぐって−−スエッツ社の場合.
薬学図書館. Vol.38, No.3, p.215-217 (1993.7)
89) 大森寿美子. スエッツ社雑誌一括納入システム:7年間の利用実績.
薬学図書館. Vol.38, No.3, p.218-220 (1993.7)
90) 湊周二. 外国雑誌の現状と流通−−取次店の立場から−−. 図書館雑誌.
Vol.87, No.9, p.663-664 (1993.9)
【受付チェック】
91) 松原修. 立命館大学における外国雑誌予約購読の変更について−−SWETS
社との ONE-LINE 契約の現状と今後の課題について. 大学の図書館.
Vol.11, No.8, p.126-128 (1992.8)
【出版事情】
92) 〈抄訳〉学術雑誌に未来はあるか T 学術雑誌に代わるべきもの.
情報管理. Vol.17, No.2, p.117-126 (1974.5)
〈抄訳〉学術雑誌に未来はあるか U 財政・技術的問題. 情報管理.
Vol.17, No.3, p.184-191 (1974.6)
〈抄訳〉学術雑誌に未来はあるか V 学術雑誌の編集管理. 情報管理.
Vol.17, No,4, p.243-251 (1974.7)
〈抄訳〉学術雑誌に未来はあるか W 学術雑誌の社会的かかわりあい.
情報管理. Vol.17, No.5, p.315-322 (1974.8)
93) Scholarly communication and serials prices. ed. by Brookfield,
Karen. Bowker, 1991. 155p. (British Library research)
@学術出版の状況;雑誌価格の上昇、購読者の減少、ILLの増加、研究分野の細分化、電子出版の可能性、業績主義の転換の可能性
A主要商業出版社の発行雑誌タイトル数(p.41)
Elsevier (オランダ) 856 Springer (ドイツ) 567 Pergamon (英 国) 482 Academic (米 国) 422 Plenum (米 国) 302 John Wiley(米 国) 280 Dekker (米 国) 215 Blackwell (英 国) 186
B国別の発行雑誌タイトル数(p.41;Ulrich's International Periodicals
Directory による)
109,000 のうち −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 米 国 55,000 50 % 英 国 14,000 13 % ドイツ 7,500 9 % オランダ 3,500 3 % −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4ヵ国計 80,000 75 %
94) 津田義臣. 学術出版物は沈没するか−−米国の例にみる危機の様相−−(上)(下).
印刷界. No.247, p.34-36 (1974.6); No.248, p.33-37 (1974.7)
95) 窪田輝蔵(紀伊国屋). 海外出版社の現状 学術雑誌を中心として.
私立大学図書館協会会報. No.72, p.80-88 (1979.7)
96) 大野俊(丸善). 海外出版社の現状 学術図書を中心として. 私立大学図書館協会会報.
No.72, p.89-97 (1979.7)
97) 笹川統; 原山俊一; 尾内昌弘(尾内のみ丸善). Life science分野における新刊外国雑誌調査.
薬学図書館. Vol.26, No.1/2, p.47-82 (1981.7)
98) 根本彰. 日米比較を通してみる出版流通と図書館の関係. 図書館情報大学研究報告.
Vol.8, No.2, p.1-17 (1989)
99) 深田良治(エルゼビア). 国際学術出版者からみた日本の専門図書館と将来への展望.
専門図書館. No.123, p.1-4 (1989.4)
100) 深田良治. ヨーロッパでの学術雑誌の出版事情−−エルゼビア社の場合をケーススタディとして.
薬学図書館. Vol.35, No.4, p.256-260 (1990.12)
101) 窪田輝蔵. 4-2 学術情報:先進諸国における出版と流通−−米英を中心として.
図書館研究シリーズ. No.30, p.419-459 (1993.3)
5.3 外国出版物. 図書館研究シリーズ. No.30, p.382-385 (1993.3)
102) 瀬島健二郎. 出版流通と図書館. 図書館界. Vol.45, No.1, p.110-115
(1993.5)
103) 出版学会シンポジウム 多国籍出版社からみた日本の出版 学術情報の「受信」と「発信」について(上)(下).
出版ニュース. No.1638, p.6-9 (1993.8); No.1639, p.6-9 (1993.8)
104) 学術雑誌編集上の問題 特集−−文部省主催昭和42年度ドキュメンテーション講習会を中心に−−.
学術月報. Vol.21, No.4, p.228-266 (1968.7)
【次世代】
105) Stern, B.T.; Campbell, R. ADONIS--publishing journal articles
on CD-ROM--. Advances in serials management. Vol.3, p.1-60 (1989)
106) 内藤秀雄. CD−ROMによる生物医学系雑誌論文供給システム−−ADONISの概要−−.
東海地区大学図書館協議会誌. No.34, p.33-41 (1989)
107) 高橋真一; 青木真奈美. ADONISの実験について. 情報の科学と技術.
Vol.69, No.9, p.339-343 (1989)
108) Stern, B.T.; Compier, H.C.J. ADONIS--document delivery in
the CD-ROM age. Interlending and Document Supply. Vol.18, No.3,
p.79-87 (1990)
109) Barden, P. ADONIS--The British LIbrary experience. Interlending
and Document Supply. Vol.18, No.3, p.88-91 (1990)
110) 橋爪宏達. 英国図書館におけるADONISの評価. 学術情報センターニュース.
No.18, p.18-19 (1991.12)
111) 木本幸子. ADONISシステムの概要. オンライン検索. Vol.13,
No.2, p.57-74 (1992.6)
112) Campbell, Robert. Document delivery and the journal publisher.
Scholarly publishing. Vol.23, No.4, p.213-221 (1992.7)
113) 福田理. ADONISの最近の動き. 科学技術文献サービス. No.99,
p.32 (1992.11)
114) 加徳健三ほか. 筑波大学医学図書館におけるADONISの導入.
医学図書館. Vol.40, No.2, p.221-225 (1993)
115) 出版学会シンポジウム ペーパーレス出版の可能性 電子出版を中心として 電子出版を中心として(上)(下).
出版ニュース. No.1634, p.8-11 (1993.6); No.1635, p.6-9 (1993.7)
出版の電子化でなく、提供システムの電子化を考える事が図書館員にとっては重要である。
【識別コード】
116) 長谷川豊祐. 逐次刊行物の識別コード−−biblidとSISACコード−−.
情報の科学と
技術. Vol.42, No.5, p.422-427 (1992.5)
117) 島村隆夫. 出版物の背番号と機械化読コード−−その図書館利用について−−.
びぶろす. Vol.43, No.6, p.127-133 (1992.6)
RT-J-B09.JXW
カット分
◇情報センターにおける雑誌予約購読と欠号補充の問題. JICST.
Vol.5, No.8 (1962.8)
◇雨宮祐政. 外国雑誌購入調査について 関東地区. 医学図書館. Vol.13,
No.4 (1966.2)
◇医学図書館編集部. 輸入業者 座談会 外国雑誌購入をめぐって. 医学図書館.
Vol.13, No.4, p.288-297 (1966.2)
◇小松三蔵(丸善). 雑誌の購入. 薬学図書館. Vol.10, No.4, p. -
(1966.2)
◇宮内省司. 外国雑誌購読料の算出方法について. 私立大学図書館協会会報.
No.48, p. - (1967.5)
◇田辺広; 柿沼正男; 金子豊; 湯浅富士夫. 東京大学附属図書館における外国雑誌受入業務の機械化.
ドクメンテーション研究. Vol.21, No.3, p.75-83 (1971.3)
◇外国雑誌一括購入業務の近況. 図書館の窓. Vol.10, No.7, p.63-65
(1971.7)
◇山下谷治. 洋雑誌の前金払について. 中国四国地区大学図書館協議会誌.
No.14, p.52-54 (1972.2)
◇宮内省司. 外国雑誌取扱上の諸問題. 私立大学図書館協会会報. No.58,
p.89-94 (1972.8)
◆昭和48年度の外国図書購入価格決定以後の現場から. 図書館の窓.
Vol.12, No.9, p.92-92 (1973.9)
◆変動相場の功罪?. 図書館の窓. Vol.12, No.12, p.120-121 (1973.12)
◇柿沼正男. 50年度の外国雑誌購入価格について思う. 図書館の窓.
Vol.13, No.11, p.101-102 (1974.11)
◇宮城房子. 図書館員と予約取扱代理店営業マン. 逐次刊行物分科会報告.
No.36, p.35-48 (1974.12)
J.A.Nientimp, S.R.Greenfield. The librarian and the subscription
agent.の訳
◇八尋重久. 逐次刊行物の発注・受入業務の問題点について. 大学図書館研究.
No.7, p.52-54 (1975)
◇草間基; 貞田睦生. Air cargo による外国雑誌の共同購入例. 専門図書館.
No.63, p.5-10 (1975)
◇北克一. 外国雑誌購読業務と問題点−−大阪工大を例として. 私立大学図書館協会会報.
No.65, p.37-42 (1975.11)
◇宮内省二. 外国雑誌のプロセッシング. 館灯. No.13/14, p.34-39
(1976.3)
◇則武静一. 不況下の資料費問題−−専門図書館の場合. 図書館雑誌.
Vol.70, No.4, p.132-136 (1976.4)
◇宮城房子. Renewal について. 逐次刊行物分科会報告. No.37, p.63-70
(1976.5)
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No.15, p.86-94 (1981.4)
◇加藤晃. 外国雑誌の購入価格について. 医学図書館員研究集会論文集.
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◇自然科学系外国雑誌検討委員会報告について. 図書館の窓. Vol.20,
No.9, p.87-88 (1981.9)
◇高野恭一. 雑誌の収集と相互協力−−購入中止雑誌の検討. 医学図書館員セミナー論文集.
No.8, p.203-210 (1982.3)
◇一場史行. 本学における逐次刊行物に関わる業務について. 広島修道大学事務研修.
No.9, p.68-88 (1982.3)
◇大井紘ほか. 研究機関における購入雑誌の一決定方式 国立公害研究所における方法.
Library and information science. No.21, p.121-130 (1983)
◇谷口望. 外国雑誌購入方法の問題点について. 医学図書館員研究集会論文集.
No.17, p.27-30 (1983.3)
◇玉井淑子. 購入外国雑誌見直しの報告−−北海道大学医学部図書館の場合.
医学図書館員セミナー論文集. No.10, p.228-239 (1984.3)
◇吉田敬治. 外国雑誌購入にあたって起因する諸問題について. 医学図書館員研究集会論文集.
No.18, p.99-108 (1984.3)
◇渡辺成道. 当館における新規購入外国雑誌の評価と選択−−相互貸借(借)の記録調査から.
医学図書館員研究集会論文集. No.18, p.89-98 (1984.3)
◇高橋裕. 外国雑誌の購入について. 図書館の窓. Vol.23, No.6, p.60-61
(1984.6)
◇宮内省司. 外国雑誌の発注・入手経路に関する分析研究. 大学図書館研究.
No.25, p.51-55 (1984.11)
◆金子豊. 図書関学関係の雑誌−−国内編−−. 薬学図書館. Vol.30,
No.1, p.30-40 (1985.7)
◆山崎茂明. 図書関学関係の雑誌−−外国編−−. 薬学図書館. Vol.30,
No.2, p.93-104 (1985.10)
◆山崎茂明. 学術雑誌研究への手引. 医学図書館. Vol.33, No.2, p.99-110
(1986)
◆学外文献複写料金の新設について. 京都産業大学図書館年報. No.5,
p.8 (1986)
昭和60年度から文献複写による研究資料の入手を資料購入と同じレベルに位置◇生原至剛.
専門図書館による雑誌購読と代理店へのニーズ(イギリス). 専門図書館.
No.107, p.33-35 (1986.2) Thornton, S.A. ; Bigger, C.J. Periodicals,
price and policies. Aslib proceedings. Vol.37, No.11/12(1985)
の抄訳
づけて処理することとなった。
◇Garfied, E.; 窪田輝蔵訳. 変わらない医学雑誌のインパクト. 医学図書館.
Vol.34, No.2, p.140-148 (1987)
◇古田富子(英知大学). 海外発注の進め. 大学の図書館. Vol.6, No.11,
p.203-214 (1987)
◆池谷泉ほか. 我が国の学協会等による予稿集の発行状況について−−調査結果報告.
情報管理. Vol.29, No.10, p.855-861 (1987.1)
◇豊福二男. 外国雑誌の価格決定と受入れに伴う諸問題. 医学図書館員研究集会論文集.
No.21, p.67-71 (1987.3)
◇長塚妙子. 大学図書館を悩ませる専門雑誌の値上り(海外出版レポート イギリス).
出版ニュース. No.1441. p.12 (1987.10.下)
◇入山美智子. 購入雑誌利用調査の一例−−どの雑誌を中止するか−−.
中部図書館学会誌. Vol.29, No.2/3, p.1- (1987.12)
◆資料紹介 "The use of serials document delivery systems.
A.K.Kent, K.Merry and D.Russon. Paris, The International Council
for Scientific and Technical Information, 1987, 72p." 科学技術文献サービス.
No.85, p.28 (1988)
世界の5大ドキュメント・デリバリー・サービス機関における逐次刊行物の利用比較調査。British
Library Document Supply Centre(英国), Centre de Documentation
Scientifique et Technique de CNRS(フランス), Chemical Abstracts
Service(米国), National Library of Medicine(米国), Online Computer
Library Center(米国)
◆こいずみとおる. 洋書・洋雑誌の価格について−−[1987年]10月号を読んで−−.
図書館雑誌. Vol.82, No.1, p.43 (1988.1)
◇村山正司. 「儲けすぎ」と悪評の洋書業界に”変動相場制”が初登場。内心ケムたい大手書店.
週刊朝日. 1988.3.18, p.162. 東京洋書のTTSレート(銀行電信売り相場)
◆小山仁一. 主体的な収集方針をもって−−輸入業者を通した洋書購入のあり方.
図書館雑誌. Vol.83, No.2, p.66-67 (1989.2)
◆図書館における逐次刊行物管理に関する本 (NDLのデータベースから 4).
科学技術文献サービス. No.93, p.42-43 (1990)
◆阿部禎子. 国内編集,外国発行の学術誌. 科学技術文献サービス.
No.95, p.10 (1991.2)
◆MACS2説明会. 逐次刊行物研究分科会報告. No.49, p.35-41 (1991.12)
説明会の感想9本。
◆星川正秋. 海外雑誌を賢く確かに手に入れるには. 翻訳の世界. 1992.6,
p.26-28.
◆山崎茂明. 情報の生産と流通:情報量の増大とレフェリーシステム.
薬学図書館. Vol.37, No.3, p.187-190 (1992.7)
増大に対する質的なコントロール。量的コントロールは情報処理機器、通信技術、電子媒体等で対応。
◇ . びぶろす. Vol.43, No.12, p.-280 (1992.12)
IFLA差別価格問題のその後。STM(国際出版連合(IPA)内の国際科学・技術・医学出版社グループ)
は、ニュー・メディア、著作権、情報流通などの問題について、出版界・情報流通関係と図書館との連携・協力関係を密にすべく1990年に図書館連絡委員会を設置した。出版社からの呼びかけの受皿として、出版・流通委員会の設置を1992年に認めた。
◆1993年丸善支店長会議資料.
受注タイトル数、価格帯、価格構造など。
◆知っていただきたい資料収集. Gaidai bibliotheca. No.114, p.1
(1993.1)
RT-E-BIB.JXW 1993.09.30
◇ALA. International subscription agents. The Association, 1963.
84p. (Library journal. Vol.89, No.8, p.1720-1721(1964))
◇Clasquin, Frank F (Faxson). The subscription agency and lower
serials budgets. The serials librarian. Vol.1, No.1, p.39- (1976).
◇White, Herbert S. The economics interaction of scholarly journal
publishing and libraries during the persent period of cost increases
and budget reductions. Serials librarian. Vol.1, No.3, p.221-(1977).
◇Fraley, Ruth. Publications vs. wholesalers: the ordering dilemma.
Library acquisitions. Vol.3, p.9-13(1979).
◇Coplen, Ron. Subscription agents: to use or not to use. Special
libraries. Vol. , p.519- (1979).
◇Hodowanec, George V. Analysis of variables which help to predict
book and periodical use. Library acquisitions. Vol.4, p.75-85(1980).
◇Bonk, Sharon C. Toward a methodology of evaluating serials venders.
Library acquisitions. Vol.9, p.51-60(1985).
◇Can subscription agents survive ?. Canadian library journal.
Vol. , No. ,p.259- (Oct. 1985).
◇Kent, A.K. ; Merry, K. ; Russon, D. The use of serials in documennt
delivery systems in Europe and the USA. 1987 or 88
◇Fortney, Lynn M., Basile, Victor A. Index medicus price study,
first edition: 1986-1990. Serials review. Vol.17, No.1, p.43-
(1991).
◇Fortney, Lynn M., Basile, Victor A. Index medicus price study,
second edition: 1987-1991. Serials review. Vol.17, No.3, p.25-
(1991).
◇Metz, P. ; Gherman, P.M. Serials pricing and the role of the
electronic journal. College and research libraries. Vol.52, No.4,
p.315-327(1991).
[科学の発展、商業出版の増大、雑誌固有のモノポリーによる雑誌価格の上昇は高
等教育における業績主義の変更と、図書館員・研究者・学会・大学出版の協力による、電子出版の発展が有力な対抗手段になる]
◆Scholarly communication and serials prices. ed. by Brookfield,
Karen. Bowker, 1991. 155p. (British Library research)
@学術出版の状況 雑誌価格の上昇、購読者の減少、ILLの増加 研究分野の細分化、電子出版の可能性、業績主義の転換の可能性 A主要商業出版社の発行雑誌タイトル数(Scho.Commu.Ser.Price. p.41) Elsevier (オランダ) 856 Springer (ドイツ) 567 Pergamon (英 国) 482 Academic (米 国) 422 Plenum (米 国) 302 John Wiley(米 国) 280 Dekker (米 国) 215 Blackwell (英 国) 186 B国別の発行雑誌タイトル数(Scho.Commu.Ser.Price. p.41) Ulrich's International Periodicals Directory による 109,000 のうち −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 米 国 55,000 50 % 英 国 14,000 13 % ドイツ 7,500 9 % オランダ 3,500 3 % −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4ヵ国計 80,000 75 %
◇米国図書館協会 "American library" 表紙写真1992年10月号
クリスティ・山口さんが、スケート・リンクでペーパーバックを持ってポーズを決めている写真である。いつかは、カーク船長、ミスター・スポックなど、映画の『スタートレック』の登場人物であった。表紙が垢抜けているのと同様に、雑誌の内容も垢抜けている。出版社の公告も桁違いに多い。図書館を外の世界に認めさせるよりも、図書館に何もかも取り込んでいるようで爽快である。このような感覚で大学図書館の外国雑誌予約購読における行き詰まった「従来の議論」から、なんとか脱却しようと、いくらかでも考えてみることにした。
◇Ivins, October. Serials prices : Column 1. Serials review. Vol.14,
No.3, p.61- (1988). Column 15. Vol.18, No.3, (1992).
◇OCLC EPIC サービス [FAXSON and OCLC]
◆A message from the managing director. Journals & major reference
works complete catalogue 1992-1993. Pergamon Press. 1992.
”パーガモン社は、1991年 5月、エルゼビア社により吸収・合併(acquired)されたが、経営は引き続き独立して行なわれる。1990年から、16点創刊し、33点廃刊した。カタログの有効活用されることを期待する。”
減量経営のための合併で、カタログをみて新規購読されることを、強く望んでいる。
◇Elsevier Science Publishers catalogue 1992: journals.
◆◆1993.05.15−−本文文献リストへ
◇ARL reports on serials crisis. Library journal. Vol.116, No.7,
p.15(1991.4.15)
◆Dijkstra, Jan Willem (Elsevier Science Pub). Factors in setting
prices of journal. Collection Management. Vol.15, No.3/4, p.533-540(1992)
◆Dorn, Knut (Otto Harrassowitz). What price library materials?
Recent pricing policies of jpournal publishers: potential complications
for libraries and agencies. Collection management. Vol.15, No.3/4,
p.541-548(1992)
◇Metz, Paul. Thirteen steps to avoiding bad luck in a serials
cancellation project. The Journal of academic librarianship. Vol.18,
No.2, p.76-82(1992)
◇Frazer, Stuart L. Impact of periodical cost escalation on small
and medium-sized academic libraries: a survey. The Journal of
academic librarianship. Vol.18, No.3, P.159-162(1992)
◇Haley, Jean Walstrom; Talaga, James. Academic library responses
to journal price discrimination. College & research libraries.
Vol.53, No.1, p.61-70(1992.1)
◇Carrigan, Dennis P. Research libraries' evolving response to
the 'serials crisis'. scholarly publishing. Vol.23, No.3, p.138-151(1992.4)
◇Foreign and domestic periodicals price index for Canada 1992:
the second survey. Canadian library journal. Vol.49, No.3, p.203-208(1992.6)
◇Double-digit hikes predicted for serials: both EBSCO and Faxon
forecast increases for 1993 subscriptions. Library journal. Vol.117,
No.14, p.113(1992.9.1)
◇Kingma, Bruce R.; Eppard, Philip B. Journal price escalation
and the market for information: the librarians' solution. College
& research libraries. Vol.53, No.6, p.523-535(1992.11)
◇Chrzastowski, Tina E.; Schmidt, Karen A. Surveying the damage:
academic library serial cancellations 1987-88 through 1989-90.
College & research libraries. Vol.54, No.2, p.93-102(1993.3)
◇The Worst Serial Title Change:
LRTS 32(1) 1987 Annual reports p.67 より
Journal of polymer science. Polymer chemistry edition. -24(1)(1986)
→Journal of polymer science. Pt. A, polymer chemistry. 24(2)(1986)-
Journal of polymer science. polymer physics. -24(1)(1986)
→Journal of polymer science. Pt. B, polymer physics. 24(2)(1986)-
Journal of polymer science. polymer letters edition. -24(1)(1986)
→Journal of polymer science. pt. C , polymer letters. 24(2)(1986)-
Serials librarian. Vol.21, No.4, p.159-160.(1992).
Grants for international and foreign programs.
→Grants for foreign and international programs.
Look before you leap and hands adross the sea awords:
British journal of experimental pathology. 1-70(1920-1989)
→Journal of experimental pathology. 71(1-3)(1990.2-6)
→International journal of experimental pathology. 71(4)(1990.8)-
◇Fletcher, Marilyn P. Science fiction magazines and annual anthologies:
an annotated checklist. Serials librarian. Vol.7, No.1, p.65-
(FaLL 1985).
付録3:外国資料価格問題の動向
【1968】
◆ユサコがISI社の総代理店に。丸善はIEEEと1980年に総代理店契約。
◆円建て雑誌の状況(80国大協 p.10)
年 1980 1984 1986 1987 タイトル数 460 1,140 2,400 2,500
【1969】
◆前年に引き続きいくつかの合併吸収;Elsevier Publishing Co. と
North-Holland Publishing Co. の合併
【1970】
◆1970年代よりエアカーゴの本格稼働(76山崎)
【1971】
◆8月に円の変動相場制移行、1971年 8月28日から1973年 2月14日の間は1ドル
308円の中心為替相場制、(S.24.4.24からS.46.8.27:固定為替相場制1ドル
360円)
円切上げ実施(1949年以来の360円)により雑誌購読価格の決定
和書洋書の価格の差が、いくらか解消傾向
◆港湾労働争議;米国太平洋岸から大西洋岸で荷役作業の中止による郵便の滞貨
◆医師不足解消のための医科大学、医学部の新設による医学書の増加
【1972】
◆米国大学図書館の日本関係コレクションの予算は縮小傾向にあるが、学術書籍の輸出は1割増
◆前年度の円切上げによる洋書の値下げ
◆換算レート(◆73渋川)
年 ドル ポンド マルク 図書 雑誌 図書 雑誌 図書 雑誌 1968 400 450 1080 1140 115 125 1969 400 450 1080 1140 115 125 1970 400 450 1080 1140 115 125 1971 400 450 1080 1140 115 125 1972 360 410 1030 1100 115 125 1973 320 370 880 950 140 150
◆米国雑誌平均定価(◆73渋川)
$ % 円 % 1968 8.65 100.0 3894 100.0 1969 9.31 107.6 4190 107.6 1970 10.41 120.3 4685 120.3 1971 11.66 134.8 5247 134.8 1972 13.23 152.9 5424 139.4 1973 16.20 187.3 5994 154.0
【1973】
◆各国通貨の変動の年; 2月14日;ドルの10%切り下げ、円の変動相場制への再移行、
3月;EC 6ケ国の共同変動制以来大きく変動、11月;オイルショック(価格上昇につながる
1973-1975)、ドルの為替相場の高騰
◆洋書価格の下方への変更;米国書は年4回の変更
◆原定価の上昇;洋書は 25 % の上昇、雑誌は規制を受け 15 % の上昇
◆年半ばからの紙不足;出版者は価格政策と紙事情の板挟み
◆(1973年よりASP(英)とSAL(蘭)による輸送システムの開始で送料の上昇、Pergamon社は誌代の一律1割を値上げしエアカーゴ送付とする)(76山崎)
【1974】
◆大学などの大口購読者は購入予算に頭の痛い1年;用紙価格の暴騰が後半収まるが、インフレ傾向により出版物のコストは上昇、ドル高騰、価格上昇、前年度の洋書値下がりの後を受けている
◆和書の値上がりが洋書の購入予算を圧迫
◆経費節減;学協会で、総代理店やストッキストを日本に設置する傾向、出版社や外国取次店のコンピュータ化による人員削減と、それによる画一的サービスへの移行
【1975】
◆英国における送料の5割上昇
◆雑誌は 20〜25 % の上昇、大口購読者の蔵書構成の再検討によるタイトルカット
◆洋書のより一層の相互利用の推進と学総目の10年ぶりの改訂
◆雑誌需要の増大化傾向のきざし
◆雑誌価格の上昇;米国の趣味、娯楽、ファッション関係の 26 % 上昇、英国の科学、技術関係の大幅値上げ
◆学術雑誌の各国シェアー;蘭、スイス、西独のシェアー増、英、仏のシェアー減
◆出版社のコンピュータ化の更なる進行による各国、各社の事務処理方式の無統一、送付先表示の訂正がきかない、送金遅れによるたちまちの送品ストップ
◆出版社の合併、提携は、ヨーロッパ主導型に推移する傾向、英国における出版産業、出版物輸出の振興
【1976】
◆ポンドの対円相場の 20 % 以上の低落
◆分野別の動向;自然科学・工学;成長の鈍化、創刊誌の減少傾向、人文・社会科学;変化なし、医学;書籍・雑誌とも順調な伸び
◆2月−8月;公正取引委員会による価格協定強制捜査(1976 渋川)
【1977】
◆10月以降の急激で大幅な円高
【1978】
◆さらに円高、10月には 170円台
◆経済企画庁の価格動向調査では、円高差益還元の優等生と評価される
◆ドル減らし特別予算;各種の洋書コレクション(500万円以上)の国による購入
【1979】
◆秋まで円高傾向、11月より 240円を越える円安基調
◆ドル減らし予算に象徴されるような古書コレクションのブームが去る
◆第2次オイルショック
◆(円安は,1979年秋,1982年秋,1989年秋の3回)
【1980】
◆ 5月より急激な円高、年末に 200円を割る
【1981】
◆年初 200円を割る円高、 7月の 240円をピークに再度円高、年末 210円台
◆STMのマーケティング・セミナー日本で開催
◆海外の大手出版社の日本代表の設置の増加
◆二重価格制;米国で出版不況を反映し、海外向け差別価格(20-30%)の設定増加
【1982】
◆年初 220円、順次円安、 6月に一時的反発、11月に 280円のピーク、その後円高に反転し、年末
240円
◆主要各国は大学の図書館予算の削減;高額のリプリント、バックナンバー、古書コレクション類の売れ行き減少
◆出版物価格の異常な高騰沈静化、学術書籍・雑誌はなおも上昇;大口ユーザーは、円安と重なり継続予算の確保に苦慮
◆海外学術雑誌 100億円市場に
◆ADONIS計画(エルゼビア、シュプリンガー)(光ディスク利用)の説明会日本で開催;以下に対応するため、「文献のコピー入手による学術雑誌の定期購読減少」「著作権の侵害」「オンライン情報検索の着実な伸び」
◆海外雑誌予約取次店2社の日本法人設立;日本独自の緻密なサービス・システムに阻まれ浸透せず
(日本ファクソンを使っている国立大学:1993年度)
国立国会図書館、防衛大学校、農林水産省諸研究機関、通産省工業技術院筑波諸研究機関、北海道大学、旭川医科大学、筑波大学、東京大学、東京学芸大学、一橋大学、新潟大学、静岡大学、名古屋大学、名古屋工業大学、愛知教育大学、豊橋技術科学大学、三重大学、岐阜大学、京都大学、京都工芸繊維大学、大阪大学、広島大学、鳥取大学、鳴門教育大学、香川大学、香川医科大学、愛媛大学、高知大学、高知医科大学、大分大学、九州大学、九州工業大学、九州芸術工科大学、福岡教育大学
(日本スエッツを使っている国立大学:1993年度個人的に把握している範囲)
東北大学、筑波大学、東京大学、東京工業大学、千葉大学
【1983】
◆ 230円台を 8円程度の変化で、比較的安定
◆ドル、円に対する、英国ポンドを除く欧州通貨安
◆マイナス・シーリング予算;学術雑誌継続に重点のため、書籍に皺寄せ
◆ライフサイエンス分野の雑誌創刊が多い
◆ADONIS計画の中断
◆アメリカ書籍協会による電子出版規格統一の動き
◆OEDのコンピュータ化決定
◆ 9月から米国ベーカー&テイラー社の電子注文システム(Bata PHONE)サービス開始
【1984】
◆ドル高円安、年初 233円から、年末 250円
◆通関統計で、輸出が輸入を追い越す
◆日米文化教育交流会議( 7月);
「日本における翻訳の速さ、読み易さ、安価さ」
米国ハーパー社「イン サーチ オブ エクセレンス」('82)が、講談社により「エクセレント
カンパニー」('83.7)として翻訳出版
原書 ハードカバー $19.95 の 5,980円
ソフトカバー $ 7.95 の 2,380円
翻訳書 格安の 1,800円
日本における洋書の売行き不振の原因は換算の問題ではなく、必要性の問題、時間の問題を含む読解力の問題、予算の問題とコピーの問題などのため
【1985】
◆円高傾向、年初 250円、 9月 230円、その後円高に拍車、年末 200円
◆洋書輸入量の低迷の原因;
輸入・輸出比 1984年 49:51
1985年 45:55
・文教予算のゼロ成長
・企業や研究機関の研究予算の緊縮化
・冊子体商品からオンラインやパソコンへ
移行する情報ニーズ
・社会的現象としての活字離れ
【1986】
◆1985年 9月の”G5”(プラザ合意)による大幅かつ急激な円高(ドル安)の流れ
◆(1986年から1988年まで続き円高差益の還元が話題になった。外国雑誌も。)
◆年初 200円、 9月には一時的に 149円台、年末 160円に戻す
◆洋書の需要動向;
・日本の大学、図書館、研究所の洋書需要構造の変化;オンライン検索による、必要な情報のみの効率的購入の傾向
・ゼロベース予算下での既存の継続洋雑誌の見直し;複数冊数予約の整理、創刊誌予約のための既存契約誌の解約
・学術洋雑誌の予約購読の伸悩み;企業の研究所、開発調査部門(R&D)の統廃合、学術情報センター主導の国立大学図書館の蔵書相互利用システムの普及
◆洋書販売の問題;輸入書情報の普及、目先の問題(円高、文教予算、ニューメディアとの競合)より、現状分析を行ない、サービスを忘れがちな書籍流通業の通弊を反省し、前向きに対処する。
【1987】
◆円高の進行、年初 150円、年末 123円、 35円(22.3%)の上昇
◆米国の大手書籍卸売業者の国内洋書市場への進出(1986年12月から);「輸入代行請負サービス」「米国ドル定価換算 → 変動通貨銀行レート+手数料」
◆ドル減らし予算(文教図書予算への昭和62年度補正予算で大幅上積み
46億円);各業者の受注入札競争の熾烈化、円高・ドル安による経営圧迫に一息
◆購入メリットの見直し;研究テーマや情報収集上の必要資料としてばかりでなく、グローバルな情報システムやニューメディアとの併用も考慮する
◆オンライン、ニューメディアによる侵食はない
【1988】
◆円高の進行
◆輸出事情;前年度ドル安での予算の目減りに対して、今年度は予算の補正措置がとられ、順調に回復、文献収集への根本的な考え方の日本との相違が痛感される
◆洋書輸入実績 =(輸入通関用インボイスの仕入正味価 + 送料実費)≠
定価
小口の郵送便入荷分に一部がもれる
◆輸入実績の増えない原因;円高による目減り、大口購入客層市場の購入予算のゼロ成長(大学や研究機関、図書館および企業など)
◆雑誌輸入では、理工医学分野の専門書や学術雑誌の比重が高く、それを反映して、国別では、米国(38%) 英国(20%) 西独(11%) 蘭(14%)
◆利幅の削減、減量経営、有望商品再開発
◆複写コピー利用急増、国立大学相互の所蔵書籍共同利用で、洋書の量販困難
◆外資系大手取次業者の参入と、その余波で、国内販売・納入価格の一段ときびしい対ユーザー交渉を余儀なくされる
◆円高による洋書売り上げの実績目減りに対して、洋書定価値下げによる需要の急増の形跡は殆どない
◆洋書輸出・輸入;1986(354億・280億)
1987(333億・338億)
1988(318億・367億)
1987− 輸出・輸入額の再逆転
◆6月;公正取引委員会の書店への価格協議に対する見解(89国大協
p.59)
a)書店が団体で行うことは中止。
b)大学からの団体協議に応じてはいけない。
c)大学が団体で行うことはかまわない。
【1989】
◆外売市場(大学、研究・情報機関向け)の国際化時時代=市場相互乗入れ、図書・研究予算の頭打ち、外資系の洋書・雑誌取次業者の参入で厳しい展開
【1990】
◆売上高増であったが、円安を反映した外貨建て輸入増もある
◆理工・医学分野の専門書や雑誌の段突な比重と、売上げの堅実な成長
【1991】
◆外国雑誌の輸入金額は143億円、全出版物販売額2兆2752億円の0.6%、CVSルートと呼ばれるコンビニでの出版物販売額2338億円の
1/10
◆輸入先;米国56億円、英国31億円、オランダ18億円、ドイツ12億円
◆市場構成は「店頭販売」と「外売」、営業マンの定訪受注による、国公私立大学や企業の研究所への専門書と外国雑誌予約講読である「外売」の比率が大きい。
◆ジャンルは有力出版社からの理、工、医、薬、農学などの STM (scientific,
technical and medical)分野が大きい。
◆主な輸入業者は丸善、紀伊国屋、USP、洋販、USアジアティック、SWETS
◆販売額は輸入額を0.8で除する(雑誌は0.75で除する)。179億円が国内販売価格、輸入は粗利益が2割、国内図書では2.5割
◆輸入高;7.6%の円高傾向(特にヨーロッパ通貨)を割り引いても、実質9.7%の大幅減、ここ10年間は、1983年、1986年を除いてすべて増加傾向、昨年の減少は深刻な事態と受けとめられている
◆STM 分野の売上高の不振は、今後の欧米の出版界の懸念
◆文教予算の減額、外資系取次業者の参入、洋書販売の利益減などは、わが国の洋輸入業界の懸念であるが、『洋書購入のユーザーとの度重なる対話で、突破口を見出していく気迫は忘れまい』
【1992】
◆洋書輸入業界では倒産した書店が出た。
◆洋雑誌の年間予約受注商戦への外資系取次各社の参入に対抗しての入札競争でかなりの苦戦を強いられた業者も少なくない。
◆外資系の商品は外国雑誌だけであり、書籍では売上実績の上昇も可能である。
◆日本国内の洋書市場は1000億円。8割が学術書、2割が一般書。
◆洋書輸入をささえているのは学術書や専門分野の雑誌類に対する根強い需要である。ユーザーは大学や短大の総合図書館、各部科研究室、国公私立の図書館や情報センター、研究所や試験機関、企業や病院等医療機関等である。
◆(1月から自社総代理店の円建て価格を外貨建て価格に、6大協の努力(東工大))
【1993】
◆外国雑誌購入の競争入札導入を睨んだ国大への平成5年度会計検査院実地調査